歯周病と全身疾患について
2018年6月19日
皆さまこんにちは。
福岡県八女市のほり歯科医院です。
ホームページをご覧になっていただいている皆さまに、歯周病のことをもっと知っていただくために今回は「歯周病と全身疾患について」についてお話したいと思います。
歯周病はお口の中だけの病気だと思ってはいませんか?
日本臨床歯周病学会では、歯周病が全身に及ぼす影響について発表しています。
今回は歯周病と全身の健康の関係について、ご紹介いたします。
歯周病になると、歯肉が腫れて歯周病菌が血管の中に侵入します。
血管に入った歯周病菌そのものは体の力によって死滅しますが、その死骸は血管の中に残ります。
そのため、歯周病菌の死骸が持つ内毒素が全身に回り、刺激を与えて全身の病気を引き起こすことがあります。
また、歯周炎によって生まれた炎症物質も血液に入り込みます。この炎症物質も全身の健康に悪い影響を及ぼすのです。
歯周病菌などの刺激で動脈硬化を誘導する物質が出ると、血管の中にプラーク(粥のような脂肪性の沈着物)ができ、血管の中が狭くなって血液が通りづらくなります。
プラークがはがれて血の塊ができると、血管が詰まってしまいます。
心筋に血液が供給されなくなると心筋梗塞や狭心症を、脳の血管が詰まると脳梗塞を起こすことになります。
血圧やコレステロール、中性脂肪が高めの方はもともと心筋梗塞や狭心症、脳梗塞になりやすいため、歯周病の予防や治療が重要となります。
古くから「歯周病は糖尿病の合併症の1つ」と言われてきました。さらに最近の研究で、歯周病になると糖尿病も悪化することがわかってきました。
つまり、歯周病と糖尿病はお互いに症状を悪化させると考えられるのです。
歯周病菌の死骸がもつ内毒素は、脂肪組織や肝臓からTNF-αを強力に生み出させます。TNF-αは血液中の糖分の取り込みを抑えます。そのため、血糖値を下げるインスリンの働きが邪魔されることになり、血糖値が高くなってしまうのです。(高血糖)
歯周病と糖尿病にかかっていることがわかったら、両方の治療を同時に行っていく必要があります。
全身の健康を守るためにも、定期的に検診を行い、歯周病の治療と予防を心がけていきましょう。
次回も引き続き「歯周病と全身疾患について」についてお話いたします。